2012年9月28日金曜日

調査チーム

授業参観があって職員室がピリピリしているというのは前回書いたが、

実は「investigating team(調査チーム)」がウチの学校に招集されており、
なぜ模擬試験の結果がこんなに悪かったのかを本格的に調査!!

「そ、そんなにおおごとだったの?」


さて、調査は終わり、学校が終わってから報告会が行われた。
めちゃくちゃたくさんのチェック項目についてそれぞれ調査結果が述べられた。
(スワヒリ語だったのですべてを理解することはできなかったが)

・1月に学年が始まって、もう9月なのに2単元しか終わっていない教科がある
・担当教員が決まっていない科目がある
・授業中にサボっている生徒を校舎の裏とか林の中で多数発見した
・授業に参加している生徒が少ない
などなど。


「学校の設備や人員の配置については問題がないので、
 
 問題は授業(教師)にある。これから改善されることを期待します。」
ということだった。

なかなかキツ~い話だと思うが、こうハッキリ言ってもらってよかったのかもしれない。
授業の時間にちゃんと授業が行われる環境が整えば、問題は次第になくなっていくはず。


・・・ちなみにオレ個人についての評価としては、
「がんばってるのは分かるけど、指導案を書いていないから論外」
ということだった。

こちらでは毎回の授業に指導案を書かなくてはならないらしいのだが、
オレの場合一週間に36個も英語で指導案を書くのはどう考えても・・・ムダが多すぎる。
授業そのものの準備時間が削られ、「指導案を書くために授業がおろそかになる」という
本末転倒は避けられない。

外国から来たボランティアだから、ということでそこは目をつぶってもらおう(笑)
objective(目標)やteaching aids(教材)、reinforcement(補強/強化)、evaluation(評価)などなど、ちゃんと日本語では考えてやってるから勘弁して(>_<)


☆☆☆
最近、「〇〇をちょうだい」と言われたら、食べ物でもお金でも基本的にあげるようにしている。
あげた方が楽だということが分かり、
また、必要もなく「ちょうだい」とは言ってこないことが分かったからだ。


でも最近、近所の子供たちについて発見したことがあって・・・・

キッチンで野菜を焼いているときは、
「タニー料理してるの?」
「そうだよ。」
「ふ~ん。」
で終わるのに対して、

キッチンで魚とか肉とかを料理しているときは
「タニー、肉(魚)をちょうだい」
とくることが分かったのだ。

それってただの好き嫌いじゃないの!?

待て待て、そうなると問題は変わってくる。
日本でも、「好き嫌いするならお菓子はあげません!」でしょう。

今度から、
「野菜も欲しがるなら肉もあげる」
というルールにしよう。

うん、間違っていないはずだ。

分岐点

今、ウチの学校は少しバタついている。

あと1か月すると、Form2の生徒(中学3年生)は国家試験を受けなくてはならない。しかもその国家試験で
平均30点以上をとらないと進級できない
というキツ~い決まりがあるのだ。

さて、つい先日模擬試験の結果が返ってきたのだけれども、その結果が散々だったらしく、

模擬試験によると、
・進級できる点数をとれた生徒は9名(約150人中)
・数学の平均点は3点で、基準の30点を越えたものは0人

という状態だった。全員分の名前と点数が掲示され(日本では個人情報の保護の観点からしないと思うが)インターネットでも見られるのだが、それを見た生徒たちも驚きを隠せない様子。



緊急で会議が開かれ(・・・授業の時間に)、「この現状をどうするのか」という議論になった。

そして、いろいろ案が出たのだと思うが(スワヒリ語の会議を全て理解するのは不可能だった)、急に
「タニ、あなたはこの後授業がありますか?」
「いいえ、今日の授業はすべて終了しました。」
「そうですか、すべての教科ではないですが、どんな授業をしているのか、見なくてはなりません。数学もその教科の一つです。明日授業を見に行ってもよいですか?」
「問題ありません。」

・・・なんだろう急に、と思って隣の先生に確認すると、
「模試の成績がよくなかった教科があるでしょ。その先生の授業を調査するんだよ。先生に問題があるのか、生徒に問題があるのかを見るために」

ええ~!!オレ関係ないじゃん!!(笑)
この学校に赴任したばっかりだし、そもそもForm2は担当さえしてないし・・・


・・といっても、授業を見てもらえることなんてなかなかないし、実際ラッキーではあるな。こうなったら、むしろたくさんの先生に見てもらって、改善点とか良い点を教えてもらいたい。



しかし今回の調査は、いつもなかなか授業に行かない先生たちにとってはちょっとした事件であり、普段はガラ~ンとしている職員室も、今は先生たちが一生懸命準備をして、授業参観にそなえている。

「いつもこうしていれば、多分問題は解決すると思うんだけれどな・・・」

と思いつつ、がんばっている先生や生徒たちと一緒にいられる雰囲気を楽しんでいる(^_^)


そうそう、みんなでがんばっていこう!そしてたくさんの生徒が進級できたらHAPPYだな~。
まだ1か月ある。これからに期待!



☆☆☆
実は上にも書いたForm2の国家試験の対策として、ムトワラ市街地近辺の学校を対象とした「mathematics competition」を開催することになった。JICAの理数科教師が主催である。学校対抗で数学の問題を解いたり、教えあったりする企画である。

招待状をいくつかの学校に持って行ったが、校長先生たちの反応はなかなか良かったように思う。ぜひたくさんの参加があって、みんながよい結果を出せればいいなと思う。これは入試ではないので、「誰かががんばって受かったらその代わり誰かが落ちる」なんてことはないのである。極端な話、全員が合格することも可能なのだ。
これもこうご期待!

2012年9月27日木曜日

授業担当の変更

今日、学校でチャイ(お茶)の時間にゆっくりとお茶を飲んでいると、
生徒が数名職員室に入ってきて、
「先生、ウチのクラスでも授業をしてください」
と頼んできた。


あぁ~、Form3(高校1年)のA組とB組の生徒たちだな、と分かった。
おれがForm3のC組を担当していて、きちんと毎回授業をしてるから、うらやましくなったのだろう。

「担当の先生がいるんだからその先生に頼みなさい。」

「担当の先生が分かりません。」

・・・・・・え?・・・・待て待て、どうゆうこと?

「ちょっと確認してみる」
と言い、校長室に行って校長に相談した。
数学担当の教師がすぐに呼ばれ、「Form3A組B組の担当教員は誰?」という話になったのだけれど、


なんと、オレが学校に赴任する前までいた、講師の先生が担当だったのである。
しかし、今はもう来ていない。

えぇ~!!!そんなのアリ!?もう2週間以上も担当不在のままだったのである。
・・・タンザニアではよくあることだと聞いてはいたけれど、生徒がかわいそうだな・・・。

すると校長が、
「タニ、あなたが担当することは可能ですか?」
「担当するとなると、他の授業と重なってしまう部分がでてしまいます。」
「分かりました。では重ならないように時間割を変更します。それで可能ですか?」
「・・・Yes, I can.」



かくして、オレが授業を持つために時間割が組み変わることになり(多分日本ではありえない)、
Form1の3クラスとForm3の3クラス、それぞれ6単位ずつの、計36単位を担当することになった。
同僚からは、「kazi kuu(もっとも仕事の多い者)」という称号を頂戴し(笑)


日本の高校に勤めていた時は18単位が上限だったので、ざっと2倍の単位数になるんだけれど、
まぁ・・・・部活動の担当もないし担任その他を持っているわけでもないから、やれるだろう。
(むしろそれでも日本で働いていた時より大分ラクである。日本の先生はみんな、こちらでは考えられないくらい多忙で、タンザニアの先生に、日本の先生の仕事内容や実質勤務時間を話すと、pole(お気の毒に)と言われる。)



さて、タンザニアの生徒に授業をするのは、実際楽しい。語学力が幼稚園児なみに乏しいので、生徒が内容を理解してくれるだけで嬉しいからだ。「ハードル(目標)が低い」と言われてしまえばそれまでなのだが、まだまだそのレベルにいるというのが現状である。


これからどんどん忙しくなりそう。・・でも嬉しい!
他の隊員には、何の活動(仕事)もさせてもらえなかったり、何をすべきか未だに発見できていない人もいるから、その人たちに比べて自分は幸せなのである。

よーし、バリバリがーんばーるぞー!(*^_^*)

2012年9月26日水曜日

ありがとう、センス

授業で、Angle(角度)について扱う機会があり、

「う~ん、たくさんの項目を書いて覚えるだけの授業になりそうで、つまらないよなぁ、
なんとかちょこっとでも面白くできないかなぁ」と思っていると・・・・


家の中である「モノ」を発見!授業で使ってみた。



彼が持っているもの、それは「扇子」


生徒に扇子を持たせて、
「acute angle(鋭角)を作ってみて」とか
「right angle(直角)を作ってみて」などとこちらから指示をする。
そして他の生徒は、開いた角度が正しいかどうか判定をする。

これが意外に好評で、
「先生!次はおれにやらせてくれ!」と殺到。
扇子にすごく興味を持って、隙を見ては開いてみたり閉じてみたり、あおいでみたり(笑)


今日は扇子のおかげで生徒が調子に乗ってくれたので、
10個の新出単語を覚えてもらうことに成功!

本来、日本文化の紹介になるかなと思って持ってきたんだけれども・・・
ありがとう、扇子!

2012年9月22日土曜日

ンブジ

今日は、調理器具の紹介
 
ンブジという器具
ココナッツの内側を削り取るためのもの

座って、イガイガのところで削る
 
削った身を絞って、スープなどにその汁を入れる。

ココナッツは好き嫌いが分かれると思うけれども、個人的には好きなので
この器具は愛用している。

こういうこともあるんだよな

今日はサプライズがあった。


朝、いつものように登校すると、集会場所に生徒が集まっているのが見えた。

「あれ、もう朝礼してるのか?いつもよりえらく早いなぁ。」
と思い近づいていくと、

・・・なぜかバスが2台止まっている。

そして、生徒たちはリュックサックを背負って楽しそうに話をしている。


「これはもしかして・・・・」

と思い、同僚に聞いてみた。

「今日って遠足?」

「そうだよ!」


あぁ、やっぱりそうなのね。聞いてませんけど!?(笑)
今日の授業はどうなるんだ?と困惑。

しばらくすると職員室に校長先生が来られて、
「今日は遠足がありますが、先生方は通常通り授業を行ってください。以上」

通常通り授業!?どういうこと?

「今日は遠足なのに、授業をするんですか?」と聞いたところ、

「お金を払った人だけが遠足にいける。生徒の4分の3は学校に残るから、その生徒たちに対して授業は行ってくれ。(ちょっと人数が減るだけでしょ。いつもと変わらないでしょ。)」という回答だった。


えぇ~!!そ、そうなのか。
確かに日本でも、金銭的事情やその他の事情で、修学旅行に参加できない生徒が出た場合、学校に登校して個別で指導をするということはあったけれども、

それって「基本的に全員が修学旅行に参加する前提」の話じゃないのか?

☆☆☆☆以下、葛藤☆☆☆☆
①生徒の4分の1を欠いた状態で授業を進めるわけにはいかない・・・のか?過半数は残ってるんだよなぁ。
②だいたい、遠足がなかったとしても家の事情とかサボりとかで出席率が60%くらいなのだから、授業を進めてもいいんじゃないだろうか?
③それにこのままだとシラバス(年間授業計画)が終わらないから、今後の学習に支障の出ない範囲を授業で進めれば問題ないかなぁ。遠足に行った人は後でノートを写させてもらうとか。
④でも、授業まであと数十分の現段階で、いきなり授業を作りかえるなんて、今の自分の語学能力で可能なんだろうか?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

頭をフル回転して、どうすべきか悩み・・・

結局、これまでの復習問題の演習だけを授業でやることに決定。

わぁぁぁっと準備をして、クラスに向かうと、


前の時間の授業が長引いている・・・・
授業をしていた先生が外まで出てきて、「次の授業ですか?ちょっとまだ・・」と聞かれたので、
「あぁ、どうせ演習なので、気にせず。最後までどうぞ。待ちますから。」
と言い、外で待つ事


30分


えぇ~!めちゃ長くないか!?(笑)

確かに待ちますとは言ったけれど!・・・・・うん、まぁ、待ちますって言ったもんな。

結局、少ない人数と少ない時間で演習をして、ちょこちょこっと終了。


少しモヤモヤっとした一日だった(笑)


日本で働いていたときは、年間計画表と月間計画表があって、基本的に変更なくその通りに流れていた。
しかし今は、いつからいつまでが休みで、国家試験がいついつで、といったことしかはっきりと分かっていない。例外的にいろいろなことが起こるのが「当たり前」なのである。

こうなると、年間の授業の進め方の計画を立てるのも大変だろうなと思う。「1年間で全何回授業があるのか分からない」ってことだから。

来年はまるまる1年間自分がクラスを担当できるので、「教科書が途中の状態で1年が終わっちゃいました」ってのはないようにしたい。


・・・とりあえず今後の目標として、
「近々遠足があるらしいよ」っていうのを聞き出せるような雑談力
が欲しい!

2012年9月20日木曜日

話が違うやんけのコーナー

さて、恒例となってきました。「話が違うやんけ」のコーナーです。

今日も夕方の4時すぎから近所の少年とランニングをしたのだけれど、

「今日はマンガンバ(?)中学校に行ってみないか?」と言うので、
「近いの?」と聞くと、
「近いよ。あっち」


このパターンで、前に2時間ロードが始まったという経験がある。
しかし、今回は「それでも構わないや」という思いで、
「オッケー、行ってみようか」と答えた。


・・・
30分後、案の定到着しない。これは予定通り。しかし、
上り坂というのが想定外!!!
わーお、これはしんどい(>_<)


・・・
結局出発してから帰るまでに3時間を費やすという過酷なロードになった(笑)話が違うやんけ

とはいえ、行ったことのない土地に行けたり、違った雰囲気の村を見られたり、
何より新しい人に顔を覚えてもらえるっていうのは嬉しいことだ。


これまでに何度が、「彼と一緒にランニングするのやめようかな、忙しいし」
と思ったことがあったけれど、めんどくさがって逃げずに(?)いて良かったと思った。

さて、明日は筋肉痛だろうなぁ(笑)


☆☆☆
今日、タイヤのパンク修理をしてもらっていると、知り合いが通りかかって、
「おお、タニ!パンクの修理してるの?」と話しかけてきた。

「そうだよー。」と、返事をして
(この人全然嫌いではないんだけど、ちょっといちいち話すのが面倒くさかった)
彼は何をするでもなく隣でじーーっと修理を見物していて、

いざ会計になったときに、
「料金はいくら?」とお店の人に聞くと、
「5千シリング(250円)」と答えた。

しかし、じっと見物していた知り合いが
「5百シリング(25円)でいいよ。一か所だけでしょ?」
と言う。

店員はバツが悪そうに、「うん、5百・・シリングだよ」
と(さっきもそう言わなかったっけ?といった表情で)言いなおした。

つまり、この知り合いは、ぼったくられるのを防ぐためにじーっと付き添ってくれていたのである!


実際、「なんでずっと見てるんだろう。暇なのかな?何か話さなきゃいけないかな?面倒」
みたいに考えていた節があったので、

いた~~~~~~く反省(>_<)

まったく人の好意に対してなんちゅう恩知らずなヤツなんだ自分は!

「人間嫌い」ではないけれど、すぐに壁を作ってしまう癖をなくしていきたいと思った。

2012年9月19日水曜日

いい日だった

今日はすごくいい日だった。


実は今日同僚に、「あんなに大きな家に一人で住んでいてさみしくならない?」
って聞かれて、「まぁ別にさみしくはないなぁ。一人でいるの嫌いじゃないし。」
と答えた経緯があったのだけれど、


家に帰ってネットにつないでみると、たまたま同じタイミングで
家族とか友達とか好きな人とかから、メールが来ていて、
しかもどれもが「元気が出る」ものだったり「励まされる」ものだったり。


確かに一人でいるのも悪くないけど、
やーーっぱり大切な人とのつながりって、自分にすごくパワーをくれるんだなと実感!
ちょこっと出かけて会える距離ではないから(1000km以上離れてる)、なおさら感じるんだと思う。

明日からバリバリがんばろう(^_^)


☆☆☆
それと、日本で寄付されたテニスラケットがタンザニアにたくさん送られてきて、
今日そのうちの4本(とボール)がオレの手元に届いた。(元テニス部顧問だったということで)

さて、
「届いてしまった!(笑)」

この地域にテニスコートが見当たらないんだよなぁ。
もちろんテニス自体を知っている人も少ないしね。

まぁしかし、欲しくても売ってないテニスラケットが手に入ったわけだ!
なんらか使い道はあるだろう。
◎最低でもボレーボレーくらいは生徒にやってみてもらおう
◎最高だと、テニスコートでテニスをやってみてもらおう

ピンチはチャンス!

2012年9月18日火曜日

言葉と授業の壁

学校が始まって2週目に入り、授業をすることには慣れてきたのだけれども、

今度は(当たり前だけど)言葉の壁に思いっきりぶち当たっている!


授業は簡単に言うと「導入→展開→まとめ」の流れで行われる。しかし、

導入(授業の始め)のところで、「話したいネタ」があったとしてもスワヒリ語にできずあきらめ、
展開(途中)のところで、「例えばこんな風に考えると」・・・みたいなことも言えずあきらめ、
まとめのところで、「内容の要約」とか「次回の予告」なども、パッと言葉が出ずあきらめ・・・・・・

という授業が続いている。

だったらあらかじめ準備しておけばいいじゃないか、という話なのだが、
なぜか本物の授業にならないと呼び起されない記憶が多々あり(笑)

授業が終わってから、
「あぁ~、あそこでコレが言えなかったなぁ!」
といった反省を繰り返している。


少しずつ語彙力を増やしていくのはもちろん大切だとして、

それでもネイティブの人と同じ様に流暢に話せるようになるのは、まぁ無理だろうから、
「授業の作り方そのもの(strategy=戦略)」を強化する必要もあるなと思う。


・分かりやすい説明の順番、方法
・見やすい板書(黒板)
・単調にならない、テンポや雰囲気の強弱をつけた授業


う~ん、すげー難しい課題だけど(笑) やっていくしかないなぁ!

2012年9月17日月曜日

自分の弱さ

今日は肉屋さんで牛肉を買い、野菜と一緒に炒めて食べた。

キッチンで料理をしていたとき、すぐに子供たちに見つかり、家を覗きこみながら
「タニーが料理してる!」「タニー、何作ってるの!?」
と話しかけてきた。そのとき正直

「ああ、うっとしい。」

と思ってしまったのである。
昨日、家の玄関先で洗濯をしていた所を散々邪魔したあげく、オレがいなくなった後で、
こぼれた水を使って泥遊びをし、玄関をドロドロにした子供たちである。


料理を終え、リビングで食べようとすると、
「タニーが食べてるよー!」「こっちこっち!」
という声が聞こえ、
うっとおしくなって食べ物を持って、死角である廊下へ逃げた。

けど、なんで自分の家の中でコソコソみじめにご飯を食べなきゃいけないんだ!
と思いリビングに戻り食べ始めると、一人の子供が覗き込んできて

「お腹すいたから500シリングちょうだい」


はぁ、またこれか・・・・と思い。

「ごめんね。今(ほんとうに)500シリングないんだ」
と言うと、

「ごはんを一口ちょうだい」

見てみると、本当にお金がなさそうな子供である。
こはんを一口ならあげても構わないや、と思い。
「いいよ。入り口のドアの所に来て。」

と言うと、ドアの前で待ちながらその子が
「タニーが来てくれるよ!」
と他の子供を呼んでいる!

えぇー!なんでそうなるんだよ!と思い、
「あなただけ!」
と言い一口分あげ、こっちに向かって走ってきている子供達を無視してドアを閉めた。

当然子供たち数人が家を囲み、
「タニー!」「僕にも食べ物ちょうだい!」
と言ってくる。

ほんの数人しかいないにも関わらず、なんだか際限なくこれが続くような気がして、

「ケレレ!(うるさい)」

と冷たい声で言い放つと、子供たちは静かに去って行ったのである。


その後のご飯がおいしいわけもなく、



純粋にご飯が食べたかっただけの小さな子供達になんであんな冷たい事を言ってしまったんだろう。と思って・・・
自分の心の狭さをすごく実感した日だった。


こちらに来てから、「人に物をあげるべきかどうか」で悩むことは多かった。けれども

「持っている『もの』なんて欲しいっていう人にあげてしまった方が、あげずに抱えこむより楽だ」
っていうのが、今の正直な気持ち。

どうせあげたとしても知れてるし、執着して隠すと気持ちがみじめになるし、なにより健康な体さえあれば仕事はできる。



周りを子供たちに囲まれる家に住むことになったのは、運命というか、試練というか、
きっと「お前はその家でいろいろ悩んで、成長しろ!」っていうことなのだと思う。


・・・こんなマズイご飯はもう食べたくない。強くなる!!!

2012年9月15日土曜日

なつかしいと宗教

今日の朝6時前、ランニングをしていると・・・

「あれ?何か見覚えのある動きのシルエットが見える!!」


近づいてみると、空手着を着たタンザニア人の(おそらく)中学生が、
早朝稽古をしていた!!


おぉ~!!!こんなところで空手の型が見られるなんて!!


聞くところによると、近所で空手をやる団体に所属している人らしい。
もしチャンスがあれば一度見に行ってみたいなと思った。



☆☆☆
同僚の家におじゃましてご飯をごちそうになるとき、
食べる前には必ずお祈りをする時間がとられる。

キリスト教の家で、ご飯の前はお祈りを欠かさないそうだ。

その間自分はヒマになるわけだけれども、
せっかくなので「いただきます」と心に念じてからいただくようにしている。



ここでは宗教は生活に根付いていて、
日本ではあまり経験できないようなこともたくさんある。
(一晩中、祈祷師が大声で歌っている等・・・)


宗教は彼らの人生の基盤であり、
彼らと今後関わっていくにあたって、無視できないものである。

宗教というものを体感するよい機会だと思って生活していきたいと思った。

2012年9月14日金曜日

心強いやつら

日本から持ってきた食品


毎日のようにお世話になっているのは、コーヒーの粉かなぁ。
タンザニアでもコーヒーは買えるけれども、やっぱり日本のやつがおいしい(>_<)
ちょっとずつ消費していくつもり。


そして、青汁の粉とサプリメントは、体調を崩す前の今、少しずつ使っている。
きっと、何らかの病気の予防になってくれるはず。
こちらでは緑黄色野菜が不足しがちなので、すごく助かっている。


カレーのルーは、半年に一回ずつ開けて食べようかなと思っている。
実はすでに一つ食べてしまったのだが、
「なんておいしいんだ」
と思って、一人で泣きそうになってしまった(笑)
袋を切り開いて、内側についているルーを全てとって食べた。
まぁ意地汚いといえばそうだが、仕方がない。もったいないんだもの。


心身ともに、これらには助けてもらっている!!

2012年9月12日水曜日

たたく

生徒をたたく用の棒

悪いことをすると、男子は尻を、女子は手のひらをこれで思いきり5回程度たたかれる。
たたく際にすごい音がするので、間違いなく痛いだろうと思う。
あまりの痛さに泣く生徒もたくさんいる。

すごく優しい先生でも叩くときは容赦ないので、これを仕事の一つと考えているのだと思う。


「そこまでしなくても」
と思ってしまうのだが、たたく方もたたかれる方も、それが当たり前だという感覚があり、
たたいた次の日なんかでもケロッとして、教師と楽しく会話したりしている。


文化の違いなんだろうなぁと思う。

悪いことをしてもたたかれないっていうのは、子供(人間)の権利なんだなぁと実感している。

その権利は大人が保証してあげないかぎり生まれないし、
子供がその権利を乱用し始めると、いずれは失ってしまうかもしれない。


体罰について考えさせられる。
ただ、泣きながら棒でバシバシたたかれている子供を直に見ると・・・無くなってほしいと思う。

2012年9月11日火曜日

飽きない毎日

買った物がいろいろ楽しかったので、これはもう紹介したいと思う!!


これなーんだ?

オレンジソーダ??
そーだ!って言いたいとこだけど、

正解は・・・・・・油

買ったお店で、ペットボトルに入れて売ってくれたんだけど、
「たぶん他の種類のペットボトルにした方がいいよ!!(笑)」
間違って飲まないようにしなきゃ・・・


さらに、お店で釘を買ったんだけれども、




・・・あれ?よく見ると先っちょが足ひれみたいになってる!!

オレンジソーダ油は危険だったけれども、これは
「安全すぎて逆に使えなくなってる!!!(笑)」
マイナスドライバーみたいな感じで使ってやろうか・・・


そして、「さあ勉強しよう!」と思って、買ったノートを開いてみたら、


「いきなり袋とじ!!!(笑)しかも1,2枚目だけでなく3、4枚目もくっついてた!」
いったい中にどんなイイ情報が閉じられているんだろうか・・・


とにかく飽きない毎日(笑)

初授業

ウチの学校は今日が夏休み明けの初日で、
自分は80分授業×3クラスのスケジュールだった。
・・・「スワヒリ語話せるかなぁ」「生徒はどんな反応をするかなぁ」

期待と不安を胸に、学校へ行ったのだけれども、

 1つ目の授業では、授業に行こうとした時になぜか工事が始まり、開始が遅れ、
いざ始めようと思ったら生徒が3分の1くらいしか登校しておらず

2つ目の授業では、一生懸命準備したトピックの授業を、「先生、それもうやり終わってます。」と言われ、(そういえば、前に担当してた先生から引き継ぐときに、「多分ここまでやった気がする」みたいな事言ってた(>_<)) 急きょ80分の授業をアドリブで(冷や汗だくだくで)やり(笑)

こういった状態を説明したら、同僚は「haha! utazoea(慣れるよ)」と微笑み。
 

 3つ目の授業については、ハプニングが起こらなかったというだけで幸せに感じるという、とにかくドタバタな初日だった(笑)

でも、やっとこの場所に立てて、すごく嬉しい。まだまだまだ課題はたーくさんあるけれども、この学校に少しでもプラスになる物を残せるようにがんばる(^_^)

2012年9月8日土曜日

どこからともなく・・・

最近、近所の人たちに自分の名前を覚えてもらってきたので、
声をかけてもらう機会が激増中。

もちろんうれしいことなんだけれども、
一つ問題が浮上してきた!!

『彼らは目がすごく良くて、声が大きいのである。』


・・・何が問題かというと、


おれの視力では判別できないくらい遠くから「タニー!」と声をかけてくるのだ!

「えっと・・・誰?・・・・・・・いや、そもそもどこから呼んでいるんだ??」

一度、遠~くの家と家のすき間から、子供が手を振っているのを見つけたことがある(笑)
相手を見つけられないことも多々あるので、そのときは
親指を立てて、とりあえず突き上げる。



☆☆☆
今日も近所の家で、お昼ご飯をごちそうになった。
最初は慣れなかったタンザニアのおかずも、
最近ではむしろおいしいとさえ感じるようになった。

「日本ではどんなものを食べるの?」という話が始まり、その流れで

「日本ではおはしを使ってご飯を食べるんだよ。」
「へぇ、そうなんだ。(不便そうだなという顔)でも、ウガリはどうやって食べるの?」
「ウガリは日本にはない。」
「もし食べるとして、おはしでどうやって食べるの?」
「う~ん、無理だと思う」

ウガリは、とうもろこしを粉上にしたものをお湯でこねて作る、タンザニアの主食。
『手でグッと握らないとおいしくならない』
という特徴を持つため、おはしでおいしく食べるのは不可能に近く、
手をベタベタにしながら食べるのが一般的なのである。


最近は食事をする際に、手だけで食べる事が圧倒的に多くなってきた。
(汁物でさえも!)

・・・・でも、実は手で食事をするのも結構おいしい!
スプーンやおはしではできない、
「いろんな食べ物を、好きな割合と大きさで練りこんで食べる」という動作が可能になる。

機会があれば試してみてください。

図書室の完成

夏休み期間を使って作っていた図書室が完成した!
前にも紹介した、イギリスの「read international」という団体の援助で作られた図書室。
自分もお手伝いをさせてもらっていたので、完成して嬉しい!!

いろんな学校の先生たちが見に来られた。

ということで、完成披露会がとり行われた(・・・・模試を一時中断して)

しっかりとしたセレモニー
traditional danceもプログラムの中にあった!

図書室に入るための行列
お目当ては・・・(今回は)中でもらえるお菓子

この図書室によって、生徒たちの勉強できるチャンスが増えたと思う。
教科書をほとんどの生徒が持っていない状況なので、さまざまな教科や分野の本を
見たり借りたりできる環境というのは、彼らにとってすごくプラスになるはずだ。


ただ、同時に課題もある。

①図書室を誰が管理するのか
②本を誰が管理するのか

貸した本が返ってきたかどうか分からなくなったり、
本の順序がぐちゃぐちゃになって探したい本が見つからなくなったり、
申請せずに勝手に持って行ってしまう生徒がでてしまったり、
貸出簿をつける受付の係になる生徒(もしくは先生)がいなかったり、

キレイで使いやすい状態を維持するためには、学校の教師や生徒の努力が不可欠である。
そこをどれだけやれるかが、この図書室の将来を左右すると思う。


アフリカの他の国では(前にもこの内容書いたかな?)図書室の管理をする先生が誰もいなくて、
本を勝手に持っていかれては困るということで、図書室を封鎖しっぱなしにしている学校もあった。


せっかく自分が赴任したタイミングでできたものだから、うまく使い続けられるように協力したい!

2012年9月7日金曜日

ソーラーパネル事件

実は昨日、ソーラーが充電できていないことに気づいて、
「・・・・・もしかして」
と思って屋上を確認してみたら、
ソーラーパネルが盗られていた!!!
え~!!屋上まで登ってワイヤー全部はがして持って行ったなんて、
やりすぎだろ~(笑)
と思って、この話を近所の人にしていたところ、
なんと、
いつも一緒にランニングをしている少年が、その日のうちに犯人を見つけてくれた!

聞き取り捜査をして犯人を突き止めて、いろいろあって白状させたらしい。
(盗ったのは、近所にいるいつも楽しく話をしていた少年だった!がぁ~ん!)
とにかく、見つかったことはめっちゃ幸運・・・!!!
 
楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだなぁとつくづく実感!
 
 
逆にこの事をきっかけに、いい意味で「開き直って」タンザニア人と接することが
できるようになった気がする。
 
「お金ちょうだい」「物ちょうだい」
って言われると、これまでちょっと嫌な気分になっていたんだけど、
今は「そりゃあ君らは当然欲しいだろう」
みたいな感じで、壁を作らずに素の自分で対応することができる気がする。
 
この経験がプラスに働きそうでよかった。

2012年9月5日水曜日

ネワラ

同期隊員の任地であるネワラに2日間行っていた。

こちらは、道や建物の様子がウチとは違った雰囲気で、すごく新鮮だった。

移動中


後ろのコの字型の空間で水浴びをした
 
夕日がきれいだった
 
夜は真っ暗 星はキレイ 火を見ると落ち着く
 
電気や水道が十分に使える地域ではないため、日本に比べて生活は圧倒的に不便で、
休日の過ごし方といっても、

<朝>
・掃除をする
・水汲みをする
・火をおこす→朝ごはんを作る→片づける
<昼>
・火をおこす→昼ご飯を作る→片づける
・休憩をする
・洗濯をする
・買い物をする
<夕方>
・体を洗う
・火をおこす→夜ご飯を作る→片づける
<夜>
・寝る

・・・・・・・といった感じになるのではないだろうか。
ほとんど一日中「ご飯を作って食べ」るだけの生活を経験させてもらった。

今までの自分なら「なんてムダな一日の過ごし方なんだ!!!」

って思ったに違いないのだろうが、
仕方がない。生活の一つ一つの動作に、ものすごく時間がかかるのだから。


就職してから4年半の中で、ある意味一番「ムダ」といえる一日を過ごしたのだが、
実際には一番「ストレスのない」一日を過ごすことができた。

これまでの休日といったら、
せっかくの休日だから、
「どこかへ出掛けなきゃ」
「勉強しなきゃ」
「効率よく過ごさなきゃ」
という(いい意味でも悪い意味でも)ストレスがかかっていたように思う。

こういう日が時々あってもいいなと思った。

マリンパーク

ネットの状況がよくなく、更新が滞ってしまった。

任地ムトワラは海沿いにある州で、おかげで魚も食べられるのだが、

ムトワラには「マリンパーク」という所があり、
先輩隊員が一人そこでボランティアをしている。

昨日はその企画の一つ、「Whale Watching Trial Tour」に参加した。
Trial(試み)ということで、まだ一般向けではないが、
ボートに乗ってクジラを見に行くツアーである。

今(9月1日)、季節は冬だけれども暑いので、海に入ることができる。


また、サンゴも見られる。


小さくではあるけれども、ボートからクジラを見ることもできた!
タンザニアは今後、こういった観光業が発展していく可能性をたくさん秘めているので、
いろいろな地域へ行ってみたいと思う。