2012年10月1日月曜日

数学の教科書―イギリス

図書室には、イギリスの教科書も多数寄付されている。
「どんな感じかな~」と思って見てみた。15年くらい前の数学の教科書なんだけれど、

・・・あー、すごいな!と感動(^_^)

たくさん感動したポイントがあったので、そのうちいくつかを紹介


単元の初めは、インタビュー
実際にその数学の知識を活用している職業の人が登場する。
学者さんや技術者ばかりでなく、様々な職種の人達なので楽しい。
 
 
他の教科との関わりをたくさん取り上げている。
化学や物理、生物などが主だけど、それ以外の物もあって楽しい。

 
 
イラストがしっかりしていて、現実味がある。
いらない絵が多いという見方もできるけど、単純に楽しい。
 
 
人の写真やエピソードがたくさん載っている。
数学に対して親近感がわく手助けになるかもしれない。
 
 
まとめも、コンパクトでしっかりとしていて見やすい
 
 
スパイラルレビュー
以前に学習した単元を、忘れたころにもう一度復習する問題
 
 
 
などなど。興味を持たせるための工夫がたくさんあって、面白いなと思った(^_^)
日本の教科書と比べて、どっちがいいとか悪いとかは一概に言えないんだけれども、
 
少なくとも自分が今後授業を作っていくときに、こういった手法は参考にしていきたいと思った。

2012年9月28日金曜日

調査チーム

授業参観があって職員室がピリピリしているというのは前回書いたが、

実は「investigating team(調査チーム)」がウチの学校に招集されており、
なぜ模擬試験の結果がこんなに悪かったのかを本格的に調査!!

「そ、そんなにおおごとだったの?」


さて、調査は終わり、学校が終わってから報告会が行われた。
めちゃくちゃたくさんのチェック項目についてそれぞれ調査結果が述べられた。
(スワヒリ語だったのですべてを理解することはできなかったが)

・1月に学年が始まって、もう9月なのに2単元しか終わっていない教科がある
・担当教員が決まっていない科目がある
・授業中にサボっている生徒を校舎の裏とか林の中で多数発見した
・授業に参加している生徒が少ない
などなど。


「学校の設備や人員の配置については問題がないので、
 
 問題は授業(教師)にある。これから改善されることを期待します。」
ということだった。

なかなかキツ~い話だと思うが、こうハッキリ言ってもらってよかったのかもしれない。
授業の時間にちゃんと授業が行われる環境が整えば、問題は次第になくなっていくはず。


・・・ちなみにオレ個人についての評価としては、
「がんばってるのは分かるけど、指導案を書いていないから論外」
ということだった。

こちらでは毎回の授業に指導案を書かなくてはならないらしいのだが、
オレの場合一週間に36個も英語で指導案を書くのはどう考えても・・・ムダが多すぎる。
授業そのものの準備時間が削られ、「指導案を書くために授業がおろそかになる」という
本末転倒は避けられない。

外国から来たボランティアだから、ということでそこは目をつぶってもらおう(笑)
objective(目標)やteaching aids(教材)、reinforcement(補強/強化)、evaluation(評価)などなど、ちゃんと日本語では考えてやってるから勘弁して(>_<)


☆☆☆
最近、「〇〇をちょうだい」と言われたら、食べ物でもお金でも基本的にあげるようにしている。
あげた方が楽だということが分かり、
また、必要もなく「ちょうだい」とは言ってこないことが分かったからだ。


でも最近、近所の子供たちについて発見したことがあって・・・・

キッチンで野菜を焼いているときは、
「タニー料理してるの?」
「そうだよ。」
「ふ~ん。」
で終わるのに対して、

キッチンで魚とか肉とかを料理しているときは
「タニー、肉(魚)をちょうだい」
とくることが分かったのだ。

それってただの好き嫌いじゃないの!?

待て待て、そうなると問題は変わってくる。
日本でも、「好き嫌いするならお菓子はあげません!」でしょう。

今度から、
「野菜も欲しがるなら肉もあげる」
というルールにしよう。

うん、間違っていないはずだ。

分岐点

今、ウチの学校は少しバタついている。

あと1か月すると、Form2の生徒(中学3年生)は国家試験を受けなくてはならない。しかもその国家試験で
平均30点以上をとらないと進級できない
というキツ~い決まりがあるのだ。

さて、つい先日模擬試験の結果が返ってきたのだけれども、その結果が散々だったらしく、

模擬試験によると、
・進級できる点数をとれた生徒は9名(約150人中)
・数学の平均点は3点で、基準の30点を越えたものは0人

という状態だった。全員分の名前と点数が掲示され(日本では個人情報の保護の観点からしないと思うが)インターネットでも見られるのだが、それを見た生徒たちも驚きを隠せない様子。



緊急で会議が開かれ(・・・授業の時間に)、「この現状をどうするのか」という議論になった。

そして、いろいろ案が出たのだと思うが(スワヒリ語の会議を全て理解するのは不可能だった)、急に
「タニ、あなたはこの後授業がありますか?」
「いいえ、今日の授業はすべて終了しました。」
「そうですか、すべての教科ではないですが、どんな授業をしているのか、見なくてはなりません。数学もその教科の一つです。明日授業を見に行ってもよいですか?」
「問題ありません。」

・・・なんだろう急に、と思って隣の先生に確認すると、
「模試の成績がよくなかった教科があるでしょ。その先生の授業を調査するんだよ。先生に問題があるのか、生徒に問題があるのかを見るために」

ええ~!!オレ関係ないじゃん!!(笑)
この学校に赴任したばっかりだし、そもそもForm2は担当さえしてないし・・・


・・といっても、授業を見てもらえることなんてなかなかないし、実際ラッキーではあるな。こうなったら、むしろたくさんの先生に見てもらって、改善点とか良い点を教えてもらいたい。



しかし今回の調査は、いつもなかなか授業に行かない先生たちにとってはちょっとした事件であり、普段はガラ~ンとしている職員室も、今は先生たちが一生懸命準備をして、授業参観にそなえている。

「いつもこうしていれば、多分問題は解決すると思うんだけれどな・・・」

と思いつつ、がんばっている先生や生徒たちと一緒にいられる雰囲気を楽しんでいる(^_^)


そうそう、みんなでがんばっていこう!そしてたくさんの生徒が進級できたらHAPPYだな~。
まだ1か月ある。これからに期待!



☆☆☆
実は上にも書いたForm2の国家試験の対策として、ムトワラ市街地近辺の学校を対象とした「mathematics competition」を開催することになった。JICAの理数科教師が主催である。学校対抗で数学の問題を解いたり、教えあったりする企画である。

招待状をいくつかの学校に持って行ったが、校長先生たちの反応はなかなか良かったように思う。ぜひたくさんの参加があって、みんながよい結果を出せればいいなと思う。これは入試ではないので、「誰かががんばって受かったらその代わり誰かが落ちる」なんてことはないのである。極端な話、全員が合格することも可能なのだ。
これもこうご期待!

2012年9月27日木曜日

授業担当の変更

今日、学校でチャイ(お茶)の時間にゆっくりとお茶を飲んでいると、
生徒が数名職員室に入ってきて、
「先生、ウチのクラスでも授業をしてください」
と頼んできた。


あぁ~、Form3(高校1年)のA組とB組の生徒たちだな、と分かった。
おれがForm3のC組を担当していて、きちんと毎回授業をしてるから、うらやましくなったのだろう。

「担当の先生がいるんだからその先生に頼みなさい。」

「担当の先生が分かりません。」

・・・・・・え?・・・・待て待て、どうゆうこと?

「ちょっと確認してみる」
と言い、校長室に行って校長に相談した。
数学担当の教師がすぐに呼ばれ、「Form3A組B組の担当教員は誰?」という話になったのだけれど、


なんと、オレが学校に赴任する前までいた、講師の先生が担当だったのである。
しかし、今はもう来ていない。

えぇ~!!!そんなのアリ!?もう2週間以上も担当不在のままだったのである。
・・・タンザニアではよくあることだと聞いてはいたけれど、生徒がかわいそうだな・・・。

すると校長が、
「タニ、あなたが担当することは可能ですか?」
「担当するとなると、他の授業と重なってしまう部分がでてしまいます。」
「分かりました。では重ならないように時間割を変更します。それで可能ですか?」
「・・・Yes, I can.」



かくして、オレが授業を持つために時間割が組み変わることになり(多分日本ではありえない)、
Form1の3クラスとForm3の3クラス、それぞれ6単位ずつの、計36単位を担当することになった。
同僚からは、「kazi kuu(もっとも仕事の多い者)」という称号を頂戴し(笑)


日本の高校に勤めていた時は18単位が上限だったので、ざっと2倍の単位数になるんだけれど、
まぁ・・・・部活動の担当もないし担任その他を持っているわけでもないから、やれるだろう。
(むしろそれでも日本で働いていた時より大分ラクである。日本の先生はみんな、こちらでは考えられないくらい多忙で、タンザニアの先生に、日本の先生の仕事内容や実質勤務時間を話すと、pole(お気の毒に)と言われる。)



さて、タンザニアの生徒に授業をするのは、実際楽しい。語学力が幼稚園児なみに乏しいので、生徒が内容を理解してくれるだけで嬉しいからだ。「ハードル(目標)が低い」と言われてしまえばそれまでなのだが、まだまだそのレベルにいるというのが現状である。


これからどんどん忙しくなりそう。・・でも嬉しい!
他の隊員には、何の活動(仕事)もさせてもらえなかったり、何をすべきか未だに発見できていない人もいるから、その人たちに比べて自分は幸せなのである。

よーし、バリバリがーんばーるぞー!(*^_^*)

2012年9月26日水曜日

ありがとう、センス

授業で、Angle(角度)について扱う機会があり、

「う~ん、たくさんの項目を書いて覚えるだけの授業になりそうで、つまらないよなぁ、
なんとかちょこっとでも面白くできないかなぁ」と思っていると・・・・


家の中である「モノ」を発見!授業で使ってみた。



彼が持っているもの、それは「扇子」


生徒に扇子を持たせて、
「acute angle(鋭角)を作ってみて」とか
「right angle(直角)を作ってみて」などとこちらから指示をする。
そして他の生徒は、開いた角度が正しいかどうか判定をする。

これが意外に好評で、
「先生!次はおれにやらせてくれ!」と殺到。
扇子にすごく興味を持って、隙を見ては開いてみたり閉じてみたり、あおいでみたり(笑)


今日は扇子のおかげで生徒が調子に乗ってくれたので、
10個の新出単語を覚えてもらうことに成功!

本来、日本文化の紹介になるかなと思って持ってきたんだけれども・・・
ありがとう、扇子!

2012年9月22日土曜日

ンブジ

今日は、調理器具の紹介
 
ンブジという器具
ココナッツの内側を削り取るためのもの

座って、イガイガのところで削る
 
削った身を絞って、スープなどにその汁を入れる。

ココナッツは好き嫌いが分かれると思うけれども、個人的には好きなので
この器具は愛用している。

こういうこともあるんだよな

今日はサプライズがあった。


朝、いつものように登校すると、集会場所に生徒が集まっているのが見えた。

「あれ、もう朝礼してるのか?いつもよりえらく早いなぁ。」
と思い近づいていくと、

・・・なぜかバスが2台止まっている。

そして、生徒たちはリュックサックを背負って楽しそうに話をしている。


「これはもしかして・・・・」

と思い、同僚に聞いてみた。

「今日って遠足?」

「そうだよ!」


あぁ、やっぱりそうなのね。聞いてませんけど!?(笑)
今日の授業はどうなるんだ?と困惑。

しばらくすると職員室に校長先生が来られて、
「今日は遠足がありますが、先生方は通常通り授業を行ってください。以上」

通常通り授業!?どういうこと?

「今日は遠足なのに、授業をするんですか?」と聞いたところ、

「お金を払った人だけが遠足にいける。生徒の4分の3は学校に残るから、その生徒たちに対して授業は行ってくれ。(ちょっと人数が減るだけでしょ。いつもと変わらないでしょ。)」という回答だった。


えぇ~!!そ、そうなのか。
確かに日本でも、金銭的事情やその他の事情で、修学旅行に参加できない生徒が出た場合、学校に登校して個別で指導をするということはあったけれども、

それって「基本的に全員が修学旅行に参加する前提」の話じゃないのか?

☆☆☆☆以下、葛藤☆☆☆☆
①生徒の4分の1を欠いた状態で授業を進めるわけにはいかない・・・のか?過半数は残ってるんだよなぁ。
②だいたい、遠足がなかったとしても家の事情とかサボりとかで出席率が60%くらいなのだから、授業を進めてもいいんじゃないだろうか?
③それにこのままだとシラバス(年間授業計画)が終わらないから、今後の学習に支障の出ない範囲を授業で進めれば問題ないかなぁ。遠足に行った人は後でノートを写させてもらうとか。
④でも、授業まであと数十分の現段階で、いきなり授業を作りかえるなんて、今の自分の語学能力で可能なんだろうか?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

頭をフル回転して、どうすべきか悩み・・・

結局、これまでの復習問題の演習だけを授業でやることに決定。

わぁぁぁっと準備をして、クラスに向かうと、


前の時間の授業が長引いている・・・・
授業をしていた先生が外まで出てきて、「次の授業ですか?ちょっとまだ・・」と聞かれたので、
「あぁ、どうせ演習なので、気にせず。最後までどうぞ。待ちますから。」
と言い、外で待つ事


30分


えぇ~!めちゃ長くないか!?(笑)

確かに待ちますとは言ったけれど!・・・・・うん、まぁ、待ちますって言ったもんな。

結局、少ない人数と少ない時間で演習をして、ちょこちょこっと終了。


少しモヤモヤっとした一日だった(笑)


日本で働いていたときは、年間計画表と月間計画表があって、基本的に変更なくその通りに流れていた。
しかし今は、いつからいつまでが休みで、国家試験がいついつで、といったことしかはっきりと分かっていない。例外的にいろいろなことが起こるのが「当たり前」なのである。

こうなると、年間の授業の進め方の計画を立てるのも大変だろうなと思う。「1年間で全何回授業があるのか分からない」ってことだから。

来年はまるまる1年間自分がクラスを担当できるので、「教科書が途中の状態で1年が終わっちゃいました」ってのはないようにしたい。


・・・とりあえず今後の目標として、
「近々遠足があるらしいよ」っていうのを聞き出せるような雑談力
が欲しい!